WOMEN'S INTERVIEW

女性教員インタビュー

誰もが住みやすいまちを、建築から。
提灯づくりに学生と汗を流す。私自身も、この地域の一員として。

PROFILE

教員プロフィール

工学部 建築学科

福田 菜々 准教授

着任時期:2009年4月

専門分野は、建築計画、環境心理、バリアフリー環境。住宅メーカーでの勤務を経て、本学に助教として着任。2011年~講師、2018年~准教授に。2025年度には育児休業を取得、現在は学科教員として教育・研究に従事する傍ら、入試広報センター主任も務める。

教員の道を選んだきっかけ

北海道科学大学の教員になったきっかけを教えてください。

大学院修了後は住宅メーカーで働いていました。当時、北海道科学大学で働いていた知り合いの教員から、「大学で女性教員を探しているので、挑戦してみないか?」と声をかけていただいたんです。
東京で就職していましたが、故郷の札幌に戻りたい気持ちもあったので、受けてみることにしました。

現在の研究・教育活動について

現在の研究テーマと、ゼミや授業での教育活動について教えてください。

専門は建築計画、環境心理、バリアフリー環境です。近年は、(福祉の)まちづくりや高齢者施設における建築計画、アメリカのヴィレッジ研究などをテーマに研究しています。
日本はすでに超高齢社会を迎えており、誰もが住みやすい環境づくりが重要な課題となっています。私はそのような社会背景の中で、人々の暮らしやすさに大きく影響する環境整備に関心を持ち、研究を行っています。特に高齢者や障害者にとっては、住環境や地域環境のあり方が生活の質に直結するため、どのような環境が生活しやすいのかを考えながら研究活動に取り組んでいます。

また、まちづくりにおいては、地域の中に身近な拠点が存在することで、外出行動や地域住民との交流が促進され、長年住み慣れた地域で社会との接点を維持しながら暮らし続けること(エイジ・イン・プレイス)につながると考えています。そのため、地域にどのような機能や空間が求められているのかを、フィールドワークなどの現地調査を通して把握し、地域特性に応じた施設計画を行うことが重要だと考えています。

ゼミ活動としては、現在「ていね夏あかり」(毎年7月に開催)のお祭りに向けた準備をしています。小学校へ提灯作成の指導に出かけたり、提灯を設置する木枠を制作したりするなど、ゼミ生たちが一生懸命取り組んでいます。そうした作業中のたわいのない会話も楽しいですね。

学位取得について

着任後に博士号を取得されたそうですね。当時について教えてください。

着任時に「大学で働き続けるのであれば博士号の取得は必須」と言われていたので、早めに取り組もうと考え、修士課程でお世話になった教授に相談して博士後期課程へ進学しました。月に1回は東京へゼミに通っていましたが、その時間は良い気分転換にもなっていたと思います。
ただ、なかなか研究テーマが定まらず、苦しい時期もありました。2年ほど経ってようやく方向性が見え、そこからは実験を繰り返し行い、その結果を論文としてまとめて投稿しました。実験を進めることは好きなのですが、分析が苦手だったので、その結果を論文としてまとめる作業には特に苦労しました。

同じ時期に、「今年ダメだったらもうやめよう」と思って受験した1級建築士の学科試験に合格したんです。何がなんでもその年に資格を取得したいと思い、研究や教育活動と並行して製図の勉強にも力を入れました。
2カ月間は毎朝4時半〜5時頃に起きて2〜3時間勉強し、通勤や帰宅後も製図の勉強を続ける日々でした。その時期は本当に大変でしたが、無事に合格することができました。

その後は、ようやく博士研究に専念しました。9月入学だったこともあり、4年半くらいで博士課程を修了できれば良いなと考えていたんです。論文2報目の採択も決まり、今後のことをぼんやり考えていた3年目の秋頃に、指導教官からまさかの「3月に卒業しなさい」と言われました。
それからの半年間は記憶が定かではありません(笑)。とにかくものすごく忙しかったですね。なんとか博士論文としてまとめ、ファイナルディフェンスもクリアして学位を取得できた時は本当に嬉しかったです。それまでの頑張りが報われた思いでした。

カリフォルニア大学アーバイン校への派遣研究員経験について

派遣研究員として赴任された際の経験について教えてください。

国外長期研修に行くことを決めたのも、急でした。当時の学科長から突然「せっかく与えられた権利だから行ってみたら?」と言われたんです。申請締切まで半年を切っていたと思いますが、その短い期間で受け入れ先の大学を探すのも一苦労でした。
大学院時代の先生の紹介でUCI(カリフォルニア大学アーバイン校)の先生をご紹介いただき、受け入れてもらえることが決まった時は一安心しました。さらに、札幌のアメリカ領事館でビザを申請するために必要な書類が手元に届くまでにも時間がかかり、ビザが下りて領事館に提出していたパスポートが返却されたのは出発日の10日前くらいでした。かなり綱渡り状態でした(汗)。

しかし、無事に渡米することができ、1年間現地で研究を行いました。師事した先生は質的研究に明るい方だったため、インタビュー手法や質的研究法に加え、エスノグラフィーやフィールドワークについても知識を深めることができました。
研究活動としては、関心のあった高齢者の福祉環境の分野で、現地のシニアセンターを訪れ、インタビュー調査などを実施しました。この調査結果は、昨年ようやく8年越しで論文としてまとめることができ、採用されました。

UCIでの生活は、のびのびとしたものでした。気候も温暖で乾燥していて過ごしやすく、週末には近くのトレイルを歩いたりしていました。ちょうど登山やハイキングという活動にのめり込む直前だったこともあり、アメリカの広大な自然の中を歩く時間はとても素晴らしいものでした。
帰国後は出産もあり、山行やハイキング活動からは離れていますが、ぼちぼち再開したいとは常に考えています!

育児休暇と働き方について

約1年間の育児休暇を取得されたそうですね。育休期間中に感じたことや、印象に残っている出来事について教えてください。

育児休暇は1年間取れて良かったです。欲を言えば、2年くらいもらえると素晴らしいです(笑)。
一人目の時は、出産直後にコロナ禍となり、家の中で過ごす時間がかなり多かったですね。子どもと外出する機会もあまりなかったように思います。
一方で二人目の時は、コロナ禍を経てオンライン会議が当たり前になっていました。さらに出産直前に学会へ論文を投稿していたこともあり、2週間ごとにオンラインで研究グループとの打ち合わせを行っていました。そのため、「育児休暇を取っている!」という感覚はあまりありませんでしたね。。。結構大変でした。
ただ、その論文は無事に採用されました。育児休暇中でも研究成果を出すことができたので、その点は良かったと思っています。

本学で働く環境や働き方について、どのように感じていますか?

他の大学で働いたことがないため比較することはできませんが、一般的な企業と比べると、働き方には自由さがあると感じています。
昨年度から裁量労働制が導入されたこともあり、自分でスケジュールを調整しながら、比較的自由に働いています。

建築・工学系で教員を目指している女性の方へ

工学部で働いている女性教員はまだ多くはありませんが、一般企業と比べると働きやすい環境だと思います。
育児休暇もしっかり1年間取得できますし、家庭を持っていても校務に支障が出ないようであれば、比較的自由に働くことができます。
自分が興味のある分野の研究を続けていきたいという気持ちがあれば、是非本学へ!

※本記事は2026年6月時点の内容です。

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